高橋いつき音楽教室KLASSE

http://www4.hp-ez.com/hp/klasse/itsuki-takahashi

コンクール審査

今日も葛飾に行ってきました。本日は男の子ばかりの審査でしたが、本番では大切なところでちょこちょこミスをしてしまったけれどもとても才能とセンスを感じる子と、完成度が高く本番で立派に演奏なさった子と、どちらに良い点数がつけられるのか、それぞれの審査員の先生方の意見が分かれ、興味深い結果になったと思います。私ははじめは前者に高得点を入れましたが、後者の演奏を聴いた後に、前者の点を一点落としました。「もし、お金を払って演奏会に足を運ぶとしたら」、「もし他の曲をどちらか一人だけに演奏してもらえるとしたら、、、」 私は前者を選んでいるはずです。とても魅力のある音楽性で本当はもっともっと完成度の高い演奏が出来る人だと手にとるように分かる演奏でした。でも、今日一回だけの演奏で比較するのであれば、後者を選びます。安定感のあるテクニックで曲の特徴もよく捉えられていましたし、激しい部分でも音が分散せずに説得力のある音色でした。何よりもマイナス要素がなかったわけです。このような理由で後者により高い点数を結果的に入れた訳ですが、五人の審査員の得点を上下カットして出した平均では前者が高い点数を獲得しました。私個人としては、後者の完成度の高さを評価しつつ、魅力を感じた人に新たな演奏機会が与えられたこの結果に大いに満足しております。
また、他の方ですがとても緻密な音楽的なアプローチをしていて、好感を持った演奏がありましたが、何故か急に止まってしまい、その止まり方も緊急手当てをするどころか、傷口を広げてしまったという、とってももったいない方がいらっしゃいました。やはりコンクールというステージで止まることは大きな減点対象ではありますので、他の審査員の方の厳しい点数は当然だとは思いますが、今回の演奏から感じた彼の今までの勉強への取り組む姿勢に敬意を払って、私は点数を入れさせて頂きました。
おそらく彼の一番大切な本番は今日ではなくーカ月後だと思いますので、今回のミスは今日やっておいて良かったと思って引き続き誠実にピアノに向き合って、最後まで頑張って頂きたいと心から思っております。